私の祖母の故郷 My Grand mother’s Country

1963年に、オーストラリア北部・ダーウィンにて生まれる。

オーストラリア国内外において巨匠および著名な画家であるバーバラ・ウィアを実の母に持つ作者は、幼いころからいつも母親の傍で絵画制作に見入っていたという。そして1980年代後半ごろ、母親から突然キャンバスを手渡されたのを機に自ら絵を描き始め現在に至るベテラン作家だ。

遥か5万年もの太古からオーストラリアの大地と共存狩猟最終民として生きたアボリジナルの人々。

農耕をせず、家畜も飼うことなく、全てを野生のものだけでまかなうことができた狩猟採集民の彼らにとって自らのカントリーといかに密接な関わりを持ち、大地の声に耳を傾けながら何世代にも渡って命を紡ぐことができたことへの敬意を払うことはとても重要なことだと幼少時から教えられる。

特にこの作品は作者の祖母であるミニー・プーラから伝承されたストーリーだという。

2008年、東京新国立美術館で開催されたエミリー・ウングワレ―展の開会式出席のため母親バーバラと一緒に初来日。1週間の日本滞在を大いに満喫した。2024年にはアボリジナルアート展のゲストとして2度目の来日。

オーストラリアの首都キャンベラにある王立植物園には作者のデザインが広場の石畳に使用されるなど今後ますます注目を集める画家であることは間違いない。