マイカントリー

遥か昔、アボリジニの人々は自分たちの祖先が訪れた水場やそこをたどった道筋や行程を“ソングライン”や“ドリーミング”と呼ぶことが多い。

「読む」「書く」といった文字を持たなかった無文字社会で生きてきた彼らはそれらを歌で「記憶」し、絵を描いて視覚で「記録」をしてきた。それが、何世代にも渡って何ひとつ変わることなくいま現在においても確実に伝承されてきている“ストーリー”はアボリジニ絵画を読み解く面白さのひとつでもある。

“ドリーミング”というアボリジニ特有の思想は、実に多種多様な解説があり、いまだに多くの専門家の間でも確実な定義づけがされていない。

中心に描かれている図案は作者の生まれ故郷である自らのカントリーをはるか太古に精霊たちが旅をしながら創り上げていった聖地の一部を表しているという。

コレクション:
Aboriginal Art Museum: Holland