ブッシュメディスン Bush Medicine

セリーナ・ティース

作者は1977年生まれ。幼い頃から積極的に絵画制作をしていた親族が自分の周りに数多くいたという環境から、自らも常に絵を描くことに興味を抱いていたという。

グループ展で出展を始めたのは2007年以降。斬新な色合いとユニークな筆遣い画法が支持され、最近ではオーストラリア国内のインテリア雑誌などにもしばしば登場する活躍ぶりだ。国内でのファン層は厚く、現在は海外にもコレクターが多数存在するほど人気はうなぎ上りである。

物質文明からもっともかけ離れた環境で、遥か5万年前の太古から野生で得られるものだけで生き延びてきたアボリジニの人々。主題である「ブッシュメディスン・薬草の物語」は、西洋医学とは無縁だった時代にアボリジナルの人々が病を治すために服用してきた薬草にまつわるストーリーである。何千種類もある薬草がどの病に効用するのか、「大地」を守り抜いてきた「命の物語」を継承された人々だからこそ見極める力が備わっているのだろう。