エミリー・ウングワレー
1910年ごろアリススプリングスの北東ユトーピアに生まれた女性。
エミリーはもはや現在オーストラリアでは最も著名で重要な画家のひとりとなり世界中のメジャーな国立美術館やコレクターたちからも非常に高い評価を受けている。
彼女の驚くべき個性的な技法であるドット(点描)を何層も重ねるスタイルはとてもパワフルで尚かつエネルギッシュでありながらも優しく、観る側の心を揺さぶる力があるといわれている。
彼女はアボリジ二居住区ユトーピアコミュニティの中でも特別リーダー的な存在であり、女性の重要な儀礼を司る役目もあった。それゆえほとんどのドリーミングを所有していた。
1989年に初めて絵筆を握って以来、キャンバス地に描いた数々の作品には誰もが目を見張り,瞬く間にオーストラリア美術界の注目の的となった。それ以後、1996年に他界するまでおよそ3000点~4000点の作品を制作したといわれている。
1990年にはすでに個展がシドニーナショナルギャラリーで開催され、のちにも国内はもとより世界各国の国立美術館、メジャーなギャラリーにて50箇所以上にもわたって展覧会が催されるなど彼女の画家としての才能に誰もが大きな注目を集めたのである。
1992年に東京・京都国立近代美術館にてグループ展出展。
1996年、NHK教育テレビ「日曜美術館」でもオーストラリアの砂漠で活躍する偉大な画家として紹介され大きな反響を呼んだ。
2001年~2002年には北海道立旭川美術館・栃木県立美術館・福島県いわき市立美術館・山口県下関美術館において開催されたアボリジニアート展ではおよそ100点の展示作品のなか12点もの作品がエミリーのものであった。