モリーン・ナンパジンパ
作者は絵画制作暦が非常に長く、また著名な女性画家の一人として豪州国内で大きな注目を浴びている。
1980年ごろからすでにキャンバスに絵画を描いていたといわれ、当初は男性画家が中心に制作を行っていたなか、彼女が女性独自のストーリーを描くよう周りに呼びかけたのを機に居住区内の女性画家の活動が盛んになったという。
広大なオーストラリアの大地と自分たちアボリジニは精神的により大きなつながりがあると確信する作者は、自分の祖母の生まれ故郷(マイ・カントリー)を主なストーリーとして描いている。描くことによって自分と大地との密接な関わりを確認できるという。
風の向きによって変わっていく砂漠の砂丘の微妙なる砂の色合い、形状などが作者独自の画法によってより一層美しく描かれている作品には多くの鑑賞者を魅了する。
2011年には神戸で開催されたグループ展で初来日も果たし、生まれて初めてパスポートを手にした作者は26日間の日本滞在を大いに満喫していった。
ジャッキー・チェンをこよなく愛する女性である。