ブッシュプラム・ドリーミング Bush Plum Dreaming

エイリーン・バード

1980生まれの若手作家、絵画制作を始めてまだ日は浅いものの勢力的なプロモーションにより年々人気が高まっている。

アボリジナルの人々にとって広大な大地は自らを生み出してくれた偉大なる母であり、また死後に自分の魂が再び戻っていくことから密接で特別な存在であると語られている。

世界で最も水の乏しく乾燥した大地だといわれるオーストラリアの中央砂漠。そこで採れる野生の果物(ブッシュプラム)をモチーフにしたこの作品は、はるか太古から大地とともに暮らしてきた先住民アボリジニの人々にとってとても重要な命を繋ぐための食糧に関する情報でもあり、それは許された者だけに公開されるものだという。
(注:ブッシュプラム = 乾燥したオーストラリアの中央砂漠でアボリジニたちの大切な食料源となる果物の実。ビタミンCを非常に多く含む。)

大地の隅々まで熟知している作者にとって、大地からもたされる「恵みの食べ物」をモチーフに描く作品はまさに作者が“母なる大地に抱かれている”感覚なのではないだろうか。