ボディペイント Body Paint

ロズリン・ディクソン

アボリジニの人々にとって広大な大地は自らを生み出してくれた偉大なる母であり、また死後に自分の魂が再び戻っていく密接な関係を営む特別な場所であると語られている。その特別な場所で彼らは儀式を行い、その際には必ず自分たちの身体にペイントをする。この作品はまさにそのデザインである。

世界で最も水の乏しい乾燥した大地だといわれるオーストラリアの中央砂漠ではるか太古から野生のものだけで暮らしてきた先住民アボリジニの人々が持つ知恵や情報は我々文明人からは到底計り知れないことばかりだ。大地の隅々まで熟知している作者にとって、それをモチーフに描く作品はまさに“母なる大地に抱かれている”感覚なのであろう。

作者は画家としてのキャリアを徐々に積み重ね、斬新なデザインが人気を呼んで今ではオーストラリア国内で数々のグループ展に出展をしている。