カテゴリー: 写真で見るアボリジニ村

  • 狩りの醍醐味・砂漠でのご馳走(その1)

    狩りの醍醐味・砂漠でのご馳走(その1)

    今でこそ文明にどっぷりと漬かった生活をしているアボリジニたちですがもともとは狩猟採集民であったため現在においても時折仲間を集ってハニーアント(蜜アリ)やウチティグラブ(ボクトウ蛾の幼虫)を積極的に採集しに行っています。道路標識も何もないところで彼らは地図も持たず確実に獲物のありかを見つける能力を持ち常に大地に感謝をしながら自分たちとのつながりを確認します。

    一粒のアリを見つけるのに自分の身体が埋まってしまうほど細い一本の棒でひたすら土の中を掘りあさります。蜜アリはまさに濃厚なハチミツの味。お尻のところを舌で軽くつぶすとまるでイクラのような食感で口いっぱいに広がる甘い蜜は格別な味わいです。

    また、人に話すと必ず「ウエェ~。気持ち悪い」と言われる蛾の幼虫ですがこれは砂漠で採れる唯一の蛋白源でアボリジニたちの大好物。自分の手のひらの上で動いている白い物体をそのまま口に入れる瞬間はまさに涙ものではありますが我々日本人が刺身を食べるのと全く同じ発想です。当然ですが水のない砂漠で魚は手に入りませんから砂漠の民は“魚”をこれまで見たことがない人がたくさん。ですから刺身を彼らも食べ物とは認めていません。食文化の違いがこんなにもおもしろいだなんて。

  • 楽しい仲間たち

    楽しい仲間たち

    そもそもアボリジニ以外の人間が居住区に滞在をするということがすでに大注目の的となるため行く先々で必ず声をかけられます。

    お金をせびられることもしばしば、持っていったカメラを触りたがる人もたくさん。

    肌の色や顔のつくりがまるで違うのですからこんな宇宙人のような私が『一体ナニモノなのだ』とまずは彼らが理解することが最優先。

    その後しばらくしてアボリジニの親族制度の基盤となるスキンネーム(男女それぞれ8つずつに分類。)をいただけるようになればその時点でもう家族同然の扱いを受けることに。

    私は“ナカマラ”というスキンネームをいただきました。
    そうなると村中にいる“ナカマラ”は私の姉妹となり私の娘は“ヌンガライ”、旦那となれる男性のスキンネームが“チャパルチャリ”とあっちにもこっちにも私の旦那候補がいることになるのでここなら嫁入り可能かも?

  • アボリジニ居住区の様子

    アボリジニ居住区の様子

    居住区内においては現在はオーストラリア政府がアレンジをした住宅に住んではいますがもともと野外での暮らしを基本としていたアボリジニにとって屋根やドアのあるところが「家」だという認識がない人々も中にはいます。ドアが叩き壊されて焚き火となっていたり、はたまた冷蔵庫の中には靴が入っていたり・・。したがってわざわざ野外に自分たちで簡易住宅を作ってそこで寝泊りする光景もアボリジニ居住区内では珍しくはありません。

    「時間」というものに拘束されない解放感はたまりません。私も毎度アボリジニ居住区へ訪れるときにはまずは時計をはずすことからスタート。あるがままに自分の身を置くことの重要性を今更ながらに痛感します。

    居住区内で暮らすアボリジニたちはひとつの大きな家族として皆仲良し。いつ、誰が、どこで、何を、誰としたなんてことはあっという間に村中に知れ渡りますからね。プライバシーなんてものはそこには存在はしません。

    ドラム缶のような大きな入れ物でぬるく甘い紅茶を一日に何倍もゴクゴク飲む人や狩猟で射止めたカンガルーを『面倒くさい』からと焼かずにそのまま生で食べる人などそれぞれがみんな「あるがまま」に生きています。
    学歴社会とか戦争とかここにいるとそれらがまるで無縁に感じられてなりません。

  • アボリジニ居住区への長い長い道のり

    アボリジニ居住区への長い長い道のり

    オーストラリア中央砂漠へは通常空路アリススプリングスへまず入り、そこから4駆でアボリジニ居住区へと向かいます。

    アボリジニ居住区といっても地域によって所要時間は様々。また行く時期によっても道のコンディションがまるで異なるので要注意。一度雨季に訪れて帰って来れなくなった経験がありますからね。

    居住区への立ち入りは通常政府からの許可証が必要となります。万が一許可無しで入った場合には2万ドル(日本円でおよそ160万円)の罰金が課せられます。

    どこまでもどこまでも広く長く続く道、もちろんガソリンスタンドも何もありませんからタイヤのパンクやガス欠にはご注意あれ。何たって通りすがりの人にSOSを・・なんてことは出来ないのですから。道中、1~2台の車を2時間おきに見かけるぐらいでしょう。